会計事務所で
入力ばかりの仕事から
抜け出すキャリアの選択肢

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会計事務所での実務経験を積んできたものの、担当案件は記帳・申告の処理が中心で、経営者への提案や、事業承継・資産税・M&Aなどの専門性が求められる案件にはなかなか関われない──そんな状況に、物足りなさを感じている方もいるのではないでしょうか。

その原因は、必ずしもスキル不足とは限りません。事務所の業務モデルや担当件数、顧客との関わり方によって、経験や意欲があっても任される仕事の幅が広がりにくいケースがあります。

このページでは、会計事務所で「入力ばかり」と感じる背景と、環境を見直すことで広がるキャリアの選択肢について解説します。

会計事務所で「入力ばかり」に
なる理由は2つある

会計事務所で働いていて「入力作業ばかりで成長実感がない」「もっと経営に近い仕事に関わりたい」と感じる場合、その背景には大きく2つのパターンがあります。
まずは、自分がどちらの状況に近いのかを整理してみましょう。

  • パターンA:経験・スキルが入力段階にあり、まだステップアップの途中である状態
  • パターンB:経験や意欲はあるが、事務所の業務モデル上、入力・記帳が中心業務になっている状態

パターンAでは、まずは日々の業務を通じて基礎力を高めることが大切です。記帳や入力は、決算・申告、さらには経営支援の土台になる業務でもあります。ただし、実務経験を積んでも担当業務が記帳・入力中心のまま広がりにくい場合は、事務所の業務モデル自体が背景にあることも少なくありません

たとえば、1人あたりの担当件数が多く1社に時間をかけにくい体制、経営者との面談や提案の機会がほとんど設けられていない体制、他領域の専門家が社内におらず対応できる範囲が限られる体制、そもそも専門性の高い案件が少なく上の役職者のみで回している体制──こうした状況は、担当者のスキルや意欲とは関係なく生じます。

「自分の力不足かもしれない」と感じている場合でも、一度、自分が置かれている環境の構造を見直してみることが大切です。

環境を見直してもよい人とは?
チェックポイントを紹介

経験や意欲があるにもかかわらず、事務所の業務モデル上、入力・記帳作業が中心になっている場合は、より自分の経験やスキルを活かせる環境を検討するのも選択肢のひとつです。

たとえば以下のようなケースに当てはまる方は、現職で改善できる余地があるのか、別の環境の方が経験を広げやすいのか、一度整理してみてもよいでしょう。

  • 会計事務所での実務経験が3~5年以上あるが、入力業務が多い方
  • 簿記2級以上、または税理士試験の科目合格者
  • 記帳・申告にとどまらず、経営者への提案やコンサルティングに関わりたいと考えている方
  • 手を挙げれば挑戦できる環境で、成長実感を得たい方

「積み上げてきた経験を、もっと大きな仕事に活かしたい」「今の環境では、これ以上任される仕事の幅が広がりにくい」と感じているなら、その感覚はキャリアを見直すサインかもしれません。

すぐに転職を決める必要はありませんが、今の環境で広げられる経験と、別の環境で得られる経験を比較してみることは、今後のキャリアを考えるうえで大切です。

経営に深く関われる環境には、
どんな特徴があるのか

環境を変えることを検討するとき、「どんな職場ならスキルを活かせるのか」をイメージできていないと、転職先でも同じ状況になりかねません。まずは、経営に深く関わりやすい環境の条件を知っておくことが大切です。

1社にかけられる時間が確保されている

担当件数が多いほど、1社あたりに使える時間は少なくなります。提案や専門性の高い案件に関わりやすい環境は、1社に深く関与できる余白がある体制が整っていることが多いです。

月次処理をこなすだけでなく、数字の変化を追い、背景にある課題を整理し、次の打ち手まで考えるには、クライアントごとに向き合う時間が必要です。担当件数や業務設計は、仕事の深さを左右する重要なポイントになります。

数字を経営者の「判断材料」として
届けられているか

月次で面談があっても、数か月前の数字を報告するだけでは、経営者はリアルタイムな判断ができません。重要なのは、タイムリーな数字をもとに、経営者が次の一手を選べる選択肢と材料を整えることです。
「この数字が意味することは何か」「どう動くべきか」まで踏み込んで初めて、コンサルティングに近い関与といえます。そこまでできる環境かどうかが、仕事の深さを左右します。

社内に連携できる専門家がいる

税務以外の領域で課題が生じたとき、社内の社労士・司法書士・行政書士といった専門家と連携できる環境では、クライアントの相談に対して、よりスピード感を持って幅広く対応しやすくなります。

税務の担当者として関わりながら、労務・法務・資産形成・承継などの課題にも社内で連携して向き合えるため、関与の深さが、そのまま仕事の広がりにつながる好循環が生まれやすいです。

こうした働き方のひとつに、「税務コンサルタント」があります。記帳・申告の処理にとどまらず、経営者と継続的に向き合いながら支援する仕事です。

税務コンサルタントとは、
どんな仕事か

税務コンサルタントは、税務顧問としてクライアントに関与しながら、経営課題の解決まで踏み込む仕事です。記帳や申告書の作成といった処理業務だけでなく、月次面談を通じた経営数値の読み解きや、事業承継・資産税・M&Aなど、クライアントのフェーズに応じた提案が求められます。

入力や申告の正確さを土台にしながら、数字の背景を読み解き、経営者の意思決定を支援する仕事へ広げていける点で、税務コンサルタントは会計事務所経験者にとって現実的なキャリアの選択肢になり得ます。

税務コンサルタントという働き方に興味がある方は、仕事内容や実際の働き方を確認し、転職後のイメージを具体化してみるとよいでしょう。
当メディアでは、会計事務所経験者が税務コンサルタントとしてキャリアを広げていく事例についても紹介しています。

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